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ゲヘヘのchika郎、笑かしなやもう 2

チカオアーカイブ 過去にご馳走様して来た映画・ドラマ・本への感謝の念を込めて

傷だらけの天使 映画レビュー50選(20)

監督: 阪本順治

 映画「顔」で阪本順治監督をかなり好きになって、監督の作品を逆にたどって見ているんだけど、、これより先に「ビリケン」を見るべきだったかな?とちょっこと後悔。
 豊川悦司と真木蔵人のコンビは好きだし、何よりTV版のショーケンと水谷豊の「傷だらけ」が好きだしねぇ、そういった意味では、この映画言うことない筈なんだけど、、。
 元祖「傷だらけ」の冒頭、ショーケンが牛乳飲むシーンなんかは理由もなにもなく、もう刷込まれたようにchikaの心に印刻されているんだよね。
 この続編が見たいという欲望で映画作っちゃったのが阪本順二監督、って話しもある位だし。
 「傷だらけ」の世界を「今の時代」「今の俳優」で取り直しリニューアルするってことを考えると、豊川悦司と真木蔵人はキャストとしてかなりイイ線行ってるんじゃないかなぁ。
 真木蔵人のプロサーファー云々っていうバックグラウンドも、バタ臭い顔(ハーフだから当たり前か)も、平成ユタカにピッタリだと思う。
 トヨエツ(ミツル)も、みちのくプロレスのシーンで少年「蛍」の手前、無理無理で頑張っちゃう姿は確かにショーケンのりだし。
 そしてミツルとユタカの関係。確かこの映画には「友達以上ホモ未満」ていうキャッチコピーがあったと思うけどぴったしだね。
 彼らの「一緒につるんでいたい」ていう気持ちは恋愛感情にも似てるし、今つるんでいたって、それが永遠に続く訳じゃないっていう予感は、男同士の間には確かにあるしね。
 父方の祖父に引き渡した「蛍」との別れの後、ユタカが「俺達もきれちゃうのかなぁ。」ってさりげなく言うシーンが、終末に結びついていく隠されたハイライトなんだろうね。
 ここは判る人には胸が痛くなるシーンだろうと思う。
 映画「ブエノスアイレス」のウィン(レスリー・チャン)はどうしようもない悪女だったけど、ミツルは自ら身をひこうとする悪女なのかなぁ。ここ辺りが「ホモ未満」故か、、、。
 ・・で、ここまで良いことばかり書いていて、それ以上この作品に惚れ込めないのは、映画自体が一本調子過ぎるからなんだよね。
 「蛍」との別れなんかで思い切り盛り上げて、そのあともこれでもかって感じでやろうと思えば話を組み立てられた筈なのに、、実際には結構「平坦」って感じで話が流れていくんですよね。
 青春ロードムービーの新しい形って感じで、気取ってわざと平坦にしてラストをぶつ切りにしてあるのかなぁ、、。
 でもその割には、みちのくロードムービーとして結構狙った、ぐっと来る場面が随所にあってさ、青森の温湯温泉にミツルとユタカが忍び込んで入浴しようとするシーンなんかもう最高だし。
 結局、俳優さんに下駄を預けて、演出とか脚本・構成で仕掛けるのを控えてるみたい、、。
 それが乾いた感じで好もしく思える時と、物足りなく感じる時に分かれてしまうわけ。
 でもやっぱ「傷だらけ」は、あざといぐらい心を揺さぶってくれる方がいい世界なんだよね、、。
うーんこの映画、大好きだけど物足りないんだよー!!

PS chikaのWeb小説「目川探偵事務所物語」は、正に、この「やくざな私立探偵が事件を追って東北を縦断するロードムービー仕立て」の小説。完全、探偵とその弟分も含めて、この映画とテンプレ同じじゃん(笑)。








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