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ゲヘヘのchika郎、笑かしなやもう 2

チカオアーカイブ 過去にご馳走様して来た映画・ドラマ・本への感謝の念を込めて

蠱惑 アルーア  リチャード・コールダー

リチャード・コールダーの楽しみ

 どうして、この人の事を忘れていたんだろう?私の創作の最も偉大なる近似値、リチャード・コールダー。
 それはおそらく彼が上品すぎるから?そして彼の第二作の作品を読まないのは私の嫉妬心から?
 以下、彼の作品の中で、ガイノイド泥棒である貧相な東洋の小悪党モスキートが、一皮剥いて人造美少女に化ける(元の姿に戻る?)シーンをご紹介します。
 この耽美、素敵です。モスキートを抱きしめたくなるから。
 暑さにひび割れたドレツサーの上に、クリームと、ドーランと、パウダーと、軟膏と、皮膚軟化剤を並べた。 それから女物の服をそろえ、昼間の皮膚を脱ぎ捨てて、ドールに変身した。 鏡の中の分身がウインクをよこした。 この妹は繊細な子供っぽい顔だちで、まだ頬のあたりにおさな太りが残っている。 そこにツッパリ風の感じをつけたしているのは、ボブヘァと、三百月形のいたずらっぽい目、ふたつの黒い太陽のように燃える目だ。 ちょっぴりとがった唇は、欲望と侮蔑の両方を伝えている。 そして肌は-人造女特有のしみひとつない、磨きぬかれた肌は-見るからに合成物めいている。 きょうの衣装?豹の毛皮模様のボディ・ストッキングと、十五センチの錐刀。 もちろん性器は(いつも厄介だが)スコッチテーブで固定し、恥丘のふくらみに見せかける。 ほほえんで、犬歯をチェックした。完壁。 ベッドに寝そべって、フィジヵル・カルチャーの雑誌を拾い読みした。 ラジオが、ブワッ、ブワッとまわる無関心な扇風機相手に、恋の喪失と発見の物語をささやいている。



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