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ゲヘヘのchika郎、笑かしなやもう 2

チカオアーカイブ 過去にご馳走様して来た映画・ドラマ・本への感謝の念を込めて

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見なくても死ねる(2) 「FULL METAL 極道」

監督:三池崇史

 このレビューのカテゴリーは「見なくても死ねるよ」。
 そうミステリー愛好家内藤さんの名台詞、「読まずに死ねるか!」を、映画版にもじって超B級映画を紹介するもの。
 ただし、今日ご紹介する映画は一概にB級とは言えません。と言っても決して佳作でもないんだけど(笑)。
 まあその区分けが難しいのが三池崇史監督作品の特質なんです。
 後、付け加えておきたいのは、このレビューに限らず、それぞれの感想が書かれた時期が異なります。
 昔書いたのもあれば、最近書いたのも。これはかなり昔ですね。
 このレビューの最後に登場する北村一輝さんは、今は押しも押されぬ個性派中堅俳優さんです。

ってことでここからが本文。


  あの格言おじさん(シーザー武志)が、渋い兄貴を!!三池監督ってどこか世の中を面白がって見ている視線があるのよね。
 それでもって拗ねているわけでもない、大人になったやんちゃ坊主ぽい所が大好き。
「フルメタル極道」の描くやくざの世界、のっけからなんてお馬鹿なんだろう。
 これぐらいの(馬鹿さ加減)で飛ばしている時の三池作品は、安心して見ていられるし、とにかく楽しめる。chika、三池作品のデッドラインは「ここなんだ」って、この作品を見て発見したよ。
 主人公であるへたれやくざのうじきつよしが、後半サイボーグ化して組織になぐり込みをかけるんだけど、この監督の事だから必ず遊びを入れるのね。
 たとえばメタル装甲が完全じゃないから拳銃に対する防御姿勢が「アラ、イヤーン」ポーズになるわけ。
 それを見て、今まで変身した先輩の戦いぶりに感動してた後輩が「はぁ?」って表情をつくるのね。
 このシーンで判るように、この時点では三池監督、映画の中で観客に自分の悪ふざけを「説明」しようという意志がまだあるわけなのね。
 でも最近の三池監督はもうこの説明をしなくなってる。
 だから見てる人間がコレにはまる時には、余計な説明がない分だけ、すごく映像的にドライブするんだけど、「勝手にしてよ、もうわかんない。一人で遊んでなさい。」状態になると、映画自体がとんでもない印象になっちゃうのね。
 「フルメタル極道」は、ちょうどこの「悪ふざけ」の塩梅が多いか少ないかの分岐点になる作品なんじゃないかな。
 まあ三池監督の悪ふざけ論については、これだけにしておいて後は「フルメタル極道」の見所をランダムにご紹介。
 もしもグラムな矢沢栄吉がいたとしたらこんなファッションするんじゃないかというマッドサイエンティスト平賀玄白(田口トモロヲ)が素敵。
 この平賀が、うじきに与えたサイボーグ体のチープな造形がこれまた、気持ちいい。
 その他、うじきの正統派極道・土左さんのちんちんへの憧れ、あるいは憧れの彫り物、変じてメタル装甲への彫金。
 (田口トモロヲが諸肌脱いだうじきの背中に馬乗りになって電気ドリルで入れ墨ならぬ彫金をするシーン、本来コミカルな場面の筈なんだけれど妙にエロチック)
 うじきが復讐を果たして長ドスではねたボスの生首が、サッカーボールよろしくドキューンと盛り場のネオン瞬く夜空を飛んでいくシーンは下手な劇画作家だって描かないって。このチープさ加減がホントに大好き!!
 映画後半は、土左さん一家の墓がある海岸で、うじきの修行僧のごときルンペン暮らしが延々と、、。
 一体この展開はなんなんだよ~。と思っていると、土左さんの女(中原翔子)がやってきてうじきの純情話に展開。
 でこの女が土左のかたきを討とうと、ゴルフのキャディさんに化けて敵に突っ込んでいくんだけど、あえなく捕まえられるわけ。(この女優さん、ほんとに色っぽい。)
 そんでもってSM調教されちゃうのね。ボンデージ衣装を着せられボールギャグをかまされ、、うーむ、、すっごくいいのね、このシーンが。
 なんてのかなぁ、、本物のやくざが、アダルトショップで買ってきた小道具で、拉致してきた女をいたぶっているっていう感じのリアル感がすごくあるのよね。
(三池監督の作品には、こんなシーンがおまけみたいに必ず一つはあるよ。どれも凄く感じる。たぶん女優さんの起用が巧いのと、男色への理解の深さが、女性への加虐のリアルさを生むんだろうなぁ。)
 この土左の女、最後に自分で舌を噛みきって自害しちゃうんだけど、これ又、三池監督は真正面からこのシーンを撮ろうとするのね。
 絶対、トリックというか不自然さが映像的には出るんだけど、この監督がこんなシーンを撮ると何故か成立しちゃう訳。
 力業というのかエネルギーというのか、、(chikaがこの監督に惚れるのはこの部分なんだけど)凄い。
 そして衝撃のラスト。(人によっては意味不明とも、、、。chikaは、「こんな感じにして終わっときゃまあいいか。」くらいのエンドシーンだと思うけど。)

PS この映画、うじきが実に「いい人」で、無茶苦茶はまり役でいう事なし、でも個人的に注目なのは、胴体上下まっぷたつにされながらも最後まで極道してた北村一輝。
 日本黒社会でも主役はってたけど、こっちの方がいいかも、黒社会の主人公を演じるのは、若い人にとっては素に近いぶん、誰がやっても難しいんじゃないかな。
 この「フルメタル極道」では典型的な「若き極道」っていう空想的なモデルが先にあるから、彼はそれをターゲットに好きにやってたみたい。
 でその分、彼の魅力が十分に味わえたように思う。
 たとえば「本当は優しいっていう顔をしながら、結局自分の事しか考えていない冷血漢」なんてのは、なかなか今若い人には演じられないのよね。北村一輝、chika注目の人です。



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見なくても死ねる(1) 「女子高生チェーンソー」


 今日ご紹介するのは「女子高生チェーンソー」。
 「悪魔のいけにえ」を約30年ぶりにリメイクして全米大ヒットを記録した「テキサスチェーンソー」にあやかった映画なんだそうだ。  「チアガール忍者」、「女子高生ロボット戦争」などの女子高生三部作シリーズ(!)と呼ばれている作品の第1弾。
 ちなみに「女子高生ロボット戦争」は、かなりましだったような気がするんだけど、どんな内容だったか、全然覚えていない(笑)。
 そういった状況下で制作された、普通の映画レビューには到底取り上げられない脱力系B級映画が本作品。
 基本的にchikaにはB級映画を有り難がって観る趣味はまったくないんだけど、この「屑映画」ぶりに一度でも触れたら、、何かしなければといたたまれなくなるのが不思議。
 ちなみにクレジットを見てみよう。
■監督:ジョン・ホフマン
■出演:ブリタニー・モンゴメリー/ターラ・トンプソン/アンナ・ガルシア・ウィリアムス/ドリュー・ドロエグ/マイケル・マコノヒー
 ええ根性してます。このキャストネーミング、映画タイトルよりこっちのふざけ具合の方が似合ってます。
 こんな映画を取り扱うのは、一重に無名女優さんたちの女子高校生ぶりが愛しいというか、エロフェロモンの濃霧状態が心地良いからなんですね。
 (そのフェロモンの正体って、時々、高校時代の制服を引っ張り出してきては、それを着ちゃったりする若奥さんがいるけどあんな感じ)
 勿論この濃霧を吸い込み続ける為には、お馬鹿過ぎて付いていくのに疲れてしまうストーリーにつき合わなければならないんだけどね。
 淑女教育を理想とするバーデンが校長を勤める某女子高校に在籍するゆるゆる生徒8人が男子校とのダンスパーティーに向かうんだけど、その途中で車がエンスト、ちょっと危ない感じのお兄さんに助けてもらったと思いきや、何故か砂漠の真ん中(?)のスクラップ工場に連れていかれ一人一人、又一人と惨殺されるというストーリーというより「なりゆき」なんですが。
 でも最後のどんでん返しには萌えますよー。
 殺戮ゲームの最後にはパーカー、転校生のモニーク、ハンクの三人が残るんですが、突然、一番主人公ぽいモニークが変装名人の怪人二十面相よろしく、メリメリメリと顔を剥ぎだすんです。
 ゆるゆるのエロ女子高校生グループに、突然割り込んできたミステリアスでいけてる転校生モニークの本当の姿は、実はチビでおデブの禿頭校長だったというやつね。
(このどんでん返しはホントに想像も付きません、あはは、ここでネタばれしちゃったから想像ついちゃうけど)
 とにかく最後はこの校長によるモニークの「変装用顔面マスク」引き剥がしシーンになだれこんでいくんだけど、この驚愕の場面にしても「おいおいそれは無茶だろー」って感じ。
 まず等身、つまり骨格がまるで違う、これをフィルムの切り張りで無理矢理、変装解除シーンとして成立させる力技が、見る者にして妙にシュールな気分にさせられるんです。
 それに何故、この校長が超絶変身を果たしてまで、ゆるゆる女子高生達を殺して行かなければならなかったのかその動機が不明。
 貞淑を売りにしたい自分の高校にこういうエロ姉ちゃん達が在校する事が許せなかったとしても、なんでその女子高生に変身して彼女たちの中に潜り込む必要があったのか?
 どう考えても、発想的には女性の裸が見たかったから女装して女風呂に忍び込む変態さんの行動パターンなんだけど。
 それに後に残ったチビデブハゲ校長のミニスカ姿が妙に生々しいというか、、、うー、、似合わない女装マゾ君虐める、お仕事、思い出しちゃったよ。




        

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