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ゲヘヘのchika郎、笑かしなやもう 2

チカオアーカイブ 過去にご馳走様して来た映画・ドラマ・本への感謝の念を込めて

ナイト・オン・ザ・プラネット 映画レビュー50選(2)

pura2.jpg 世界五都市(ロス、ニューヨーク、パリ、ローマ、ヘルシンキ)のタクシードライバーが主役の小編オムニバス。
 ウイノナ・ライダーばかりがこの映画の前に出てしまうのはどうかとは思う(私もミーハー気分で映画を見ている人間だから偉そうには言えないけれど、)彼女はオムニバスの一番最初に登場するし、確かに彼女の可愛らしさは特筆ものだけどストーリー自体はイマイチの出来の一編だから。これで止められちゃうと後の4編が可愛そう。

 先ずは(ロス)から。
 「シット!!」で出会った新人発掘エイジェントの遣り手おばさんと、見かけによらずきっちりした人生設計を持つタクシードライバー(ウイノナ・ライダー)の出会いと別れ。
 「あんた判ってんの映画スターよ。」とウィノナに声をかけるエイジェント、「いってる事は判ってるわ、それに憧れる若い女の子も大勢いるでしょうね。
 でも私の場合は違うのよ。」と優しく断るウゥノナ。「知ってる?ポパイのせりふよ(俺はおれだ。)」仕事編というところか。

 私の一番好きなニューヨーク編、これは本当に笑える。毒気のない笑いは久しぶり。
 スキップするタクシーを拾う事になったヨーヨー。
 彼とブルックリンまでの道行きで交わされる東ドイツからやって来た新米ドライバー・ヘルムートとの会話は最高。
 「金は必要だが重要じゃない。」これは家族愛編にいれておこう。



 私の興奮した(パリ)編。ロワーズ河岸まで盲人の女性を送ることになったアフリカ人のタクシードライバー。「俺の肌の色が判るか?」「関係ないわ。私は色を感じるのよ。アンタにはわかんないでしょうけどね。」
 この女性を演じるベアトリス・ダルが無茶苦茶エロチック。
 白目を剥きながら(というか盲人の演技)口紅を塗るシーンは鼓動が早くなるよ。生唾ゴックンの世界だね。
 でもまじめな部分で見ればこれはハンディ編(あえて障害者問題や人権問題とは申すまい。この映画はそういった問題をちゃんと人生のレベルの視点で撮れてる。)

 (ローマ)編。
 これは「性」がテーマかな、アハハ、、違うね、「お喋りの罪」編だね。七つの大罪には「お喋り」も入れとくべきだと思うよ、ホント。
 特に天才ホテル辺りを通過した時に喋り始めるベニーニのノリと言ったら最高。
 そしてラスト(ヘルシンキ)編、このテーマは「不幸」そして「やっぱり朝はやってくる」かな、、。
 トラブル尽くしでやけ酒を煽りベロンベロンになってタクシードライバーのお陰でやっとこさ自宅まで帰りついた男の側を、朝が早い近所の男達が「お早う」と声をかけながら出勤していく。
 そう、こうやって、どんな「不幸」があっても「日常」は淡々と過ぎていくのだ。
 このラストと、冒頭の宇宙に浮かんで自転する地球のシーンが、くるんと繋がってなかなか面白い仕掛けの映画ですよ。
 トム・ウェイツのエンディング曲もしみじみ聞いちゃいました。




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