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ゲヘヘのchika郎、笑かしなやもう 2

チカオアーカイブ 過去にご馳走様して来た映画・ドラマ・本への感謝の念を込めて

ブエノスアイレス(春光乍洩) 映画レビュー50選(12)

監督:王家衛(ウォン・カーウァイ)

 「苛烈な夏の暑さの下、愛されない乾きをもって映画ブエノスアイレスを見た。」な~んちゃてね(笑)。
 スクリーンに大滝の俯瞰が映し出されてタンゴが流れた時点で参りました。
 やっぱり映画は「才能」です。
 オッ、白黒ですか、デビットリンチを思わず思い出しちゃいますね。
 色が付き始めると、現実味が増す仕掛けなのかなぁ。
 でも光・色、ちょっとこだわり過ぎかな?
 気持ちが離れている時に、画面を見ると目がチカチカしちゃうよ。
 観る者の心を鷲掴みにして絶対にそれを離さないというタイプの映画じゃないんだからさ。
 特に血の赤と、人口灯の青と橙が好きみたいだね。
 これは撮影監督クリストファー・ドイルって人の得意技なの?
 ウィン達がサッカーかなんかの賭け試合してる時の撮影なんて一コマ一コマ前衛写真みたいな感じだけど、映画でそこまでする必要あるのかな?と思ったり。
 でも「香港が俺の脚の下にある」とレスリー・チャンに言わせて、本当に香港を上下逆に撮る稚気にはニンマりさせられたけどね。

 で感想は物語の方へ、、。
 ウィンとファイ、この二人ってきっと頭悪いんだろうな、、。
 ウィン(レスリー・チャン)、男の「悪女」かぁ、、。
 そんなのありそうでなさそで、、、結論、現実にはいないね。 
 それに「悪女」を描くなら、なぜホモセクシュアルに焦点を持って行く必要があったんだろう?
 ある意味、映画的にはそれがオシャレだったから?
 でもこの映画じゃ一応、そういうのが成立してるかな。
 で、本当の困ったちゃんはウィンより情けが深過ぎるファイ(トニー・レオン)の方だったりして、、。
 ファイが南米最南端の岬に向かう青年チャンの為に声を録音するシーンは、とてもとても可愛く抱きしめてあげたかった。
 こういうシーンを見てから「ブエノスアイレス」が、ヘテロの物語だったら成立するかなって考えるとやっぱり無理なんだよね。
 男女の愛の葛藤に、ホモセクシャルの人間の孤独を接ぎ木して見せる映画か、、。
 これがこれで、見る人間にとって意味のある物語として成立する事自体がなんだか切ないね。
 
 ただし、chikaの場合、そんな高尚な見方じゃなくて、そのマンマの興味本位でこの映画見てたんだけどさ(笑)。
  トニー・レオンがレスリー・チャンとやる時に、手に唾をつける場面なんかはフムフムなかなかって感じでさ、、でもメジャー映画じゃこれがギリギリかな。
 イグアスの滝かぁ、、結局、ファイは一人で見に行って、チャン(チャン・チェン)は南端の灯台でフェイの録音されなかったテープを聴くわけだ。
 この映画、同監督の「恋する惑星」から遠く離れているっていう評価があるみたいだけど、ファイがチェンの故郷の台北に帰ってからは、「恋する惑星」とまったく同じモードになってるじゃない?
 結局 ウォン・カーウァイはここに戻ってくるんじゃないかな。
「チャンの写真を一枚盗んだ。会おうと思えば又あえる。」ってね。

追記 ザッパの音ってこんなに聞き易かったけ。信じられないね、、。







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