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ゲヘヘのchika郎、笑かしなやもう 2

チカオアーカイブ 過去にご馳走様して来た映画・ドラマ・本への感謝の念を込めて

「ストロベリーナイト」に登場する「エフ」への個人的考察

「衛星軌道上のボンデージガール。その絶対的孤独と断絶的快楽。」

snapchika.jpg 「グロいですよ~食事のときには読まない方がいいかも」って倶楽部の子に言われて貸してもらった本を読了。
 その子自体、倶楽部じゃ主にMやってるんだけど、結構、プレイにバリエーションがある子で、いっちゃなんだけど引いた目でみりゃ、医療系含めて相当グロなプレイもあるんだよね。
 でも本人は至って平気みたいなんだけど。
 まあ見方を変えれば、chikaのラバー好きもこの子からみたら相当ヘンだからそのこの所はおあいこ(笑)。
 その子が「グロい」ってゆーんだからどんなのかって読み始めたのが誉田哲也の「ストロベリーナイト」。

 ストロベリーナイトとゆータイトルと、文庫本のオシャレなカバー写真、それにこの本を貸してくれたイカにも今風な倶楽部の子の顔を交互に思い出して、読んだらカロリーオフのコーラみたいだと困るなぁ、と、(笑)。  
 コーラは毒水だからコーラなんであってさ。
 で「ストロベリーナイト」は、のっけからヤク中の鬼畜親が登場して児童性的虐待コースの導入、、まあ最近の刑事物だと全然珍しくないんだけど、性的虐待にスカトロが入ってくるのは珍しいちゅーかchikaはこれが苦手なのだ。

 しかもここで登場するスカトロは、汚物を身体になすり付けたり軽く飲食するようなライトなものじゃなくて暴力系、、余計に読むのが嫌なわけで、途中で止めようと思ったんだけど人から借りた本って降りられないのよね。
 「読んでどうでした?」とか聞かれちゃうとね。 「ああ、あれね、ムニャムニャ、、。」なんて、若いのに本を読んでくれる希少な後輩相手に誤魔化せないじゃない。
 結局、この冒頭の殺人鬼の独白で繰り広げられるグロシーンは、殺人鬼の親殺しと自宅放火で幕を閉じたのでなんとか乗り切ったって感じ。
 この殺人鬼は、後日「エフ」という名前で小説の主人公警視庁捜査一課警部補姫川玲子の前に再登場するんだけど、エフのコスチュームが街の浮浪老人が何処かで拾ってきたレザーのつなぎで、その武器が百円ショップで売っているどぎつい色のちゃちなカッターナイフってゆーのが、なかなかナイス。
 ちょっとネタバレぽいけどこの小説を映画化するならエフの役は堀北真希がいいって倶楽部の子が言ってたんだけど、、まあ、そんな感じ。
 でもベッドに縛り付けた女性の乳房を釘の一杯突き出たバットでなぎ払うってゆーのは堀北真希には無理かも。
 このエフ、最初は男と思わせておいて最後に実は堀北真希属性の人で更には主人公の絶体絶命の危機を救っちゃったりするドンでん返しに必然性はあったんだろうか?と小説読み終わってからも未だに腑に落ちないchikaなのだ。
 あんまりも極悪非道なヒールを作ってしまったので、作者が無意識のうちにバランスを取ってしまったのではないだろうかって今は想像してるんだけど(笑)。
 だって初めのままのエフの姿が「現実モデル」だとする小説って、書き手が悪人に見えるし(笑)。

 「ストロベリーナイト」に登場するエフは、自分自身の忌まわしい存在性を否定する為に、乳房を自ら切除しちゃうわけなんだけど、chikaからすると性同一性障害への理解より、このエフの情動の方がよく理解できちゃったりする。
 性同一性障害が、本来あるべき自分の為に、現在の肉体のありように突き当たってしまうのに対して、chikaのそれは「本来の自分の有り様を否定する為」に、肉体を改変するわけで。
 ある意味、「未来がない病」なんだよね。
(でもその代わり刹那的な快楽には恵まれるけど)
 そういった諸々を含めて、chikaにとってエフは結構、魅力的な登場人物でした。




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